お口の中にも「がん」ができることをご存じですか?
口腔がん(口の中にできるがん)は、日本ではすべてのがんの約2~4%をしめており、年間約6000人のかたがこの病気にかかり、約3000人の方が亡くなっております。
早期発見ならこわくない でも、発見が遅れると…
早期がんの治療成績は▶90% |
進行がんの治療成績は▶50% |
口腔がんは早期であれば90%以上、治すことができるのです。口は「話す」「食べる」「飲む」などといった大切な働きをしています。早期がんの治療では、これらの働きもほとんど障害をうけません。しかし、発見が遅れると大変です。口腔がんの進行がんでの5年生存率(5年間、がんの再発などなく生きている割合)は、約50%です。つまり進行がんでは約半数の人ががんによって命を奪われているのです。その上、進行がんでは舌を半分以上とったり、頬の皮膚をとったり、上顎や下顎をとったりしなければなりません。もちろん、なくなった舌や顎は、からだの別のところから骨や皮膚を持ってきてもとの形にしますが、「話す」「食べる」「飲む」といった働きは障害されますし、顔に傷が残ったりどうしても顔が変形してしまうこともあります。それにくわえて、放射線治療や副作用を伴う抗がん剤治療も行わなければならない場合が多いです。
口腔がんは早期に発見し早期に治療すればこわい病気ではありません。口腔がんの発生前には、いわゆる「前がん病変」「前がん状態」といわれる粘膜の変化が何年も続く場合もあり、この前がん(がんになる前)の状態で、発見し適切に治療をすれば口腔がんの発生を防ぐこともできます。
次回はその「前がん」について詳しくご紹介いたします!